キバナノショウキランはやや大形株に成るので直播きの実験には向かないなと思っていた。6月中頃、深山の杉植林の登山道で一株際立って咲いていた。その後忘れていたが、研究者の方がショウキランも直播き出来るのではと云ってきた。ふと思い出した、早速その様子を見に8月初め登山となった。その画像を下記に添付した。



50cm程に切断された間伐材が無造作に放置されてあった。その一本をそっと持ち上げて見ると、花茎その他の部位は乾燥しきって今にもちぎれそうであった。果実はかちんかちんに固くなっている。外観でもシイナの様な状態なので持ち帰っても無駄な様だったが失敬して一個持ち帰った。之までにも液果状態の果実は時たま見かけたが肝心の種子は見たことが無かったので、早速かちわってパソコン拡大して見た、それが上図である。それもただの一粒だ。しかし成熟した果実は採れないだろうと思っていた矢先、自然で結実した種は確かに確認出来た事が何よりの成果であった。だかランの種一粒ではどうにも話にならないので、とうとうWebの山で探しまくったのである。


種子及び果実収集家かぜくさ氏がご提供のキバナノショウキランの種子(無断使用禁止)
 
キバナノショウキランの種子かは不明の注釈付きで送ってくれた種子の2枚の画像、鮮明でとても綺麗です。かぜくささん有難う。(2014度産)


当然ながらこの実験もどの様な結果が出るかは全く不明、しかしながらやらねば何も進まない、何も分からないままに終わる。
http://yamaego.web.fc2.com/kibanano/newpage2.html
先ずは直播き菌床をどの様な方法で作るかは、キバナノショウキランに聞いてみないと当然ながら全く解からない。なので例によってクロヤツシロランが発芽した菌床に播くしか方法は無い。そこで
開設者が発見した干乾びたキバナノショウキランの果実を砕いた殻と種子一粒(笑)、
かぜくささんの上記種子直播を試みた。上図は直播して次の日の画像、水分を吸収して生き返った様だ。、、、

クロヤツシロランの生える山とキバナノショウキランの生える山とは20km程離れているがどちらも昔植えられた杉植林である。ならば共生菌も同じかも知れない。クロヤツシロランは浅くスギ林床
4,5cm下を特殊な根状器官(仮)を伸ばしながら共生菌を求めながら塊茎を太らせているようである。従ってスギの落葉、倒木がある限り共生菌の棲家は確保されクロヤツシロランも絶える事は
ない。ではキバナノショウキランはどんな生態系を持つのか残念ながら知識はない。ただ今回干乾びたキバナノショウキランの花茎を見ると30cm以上の長さになる。これは太い間伐材に挟まれて
生長した様なので正常時ではない様だ。クロヤツシロランは浅く、キバナノショウキランは深く生えるとなれば其の共生菌も違うかも知れないが、元々全く解からないのであるから先ずはこんな方法
でやるしかないであろう。単に発芽するのか、しないのかの問題なのである。実験、画像の添付は同時進行で今後も、つづく


林床では果実から飛び散ると、この様な格好で土中に落ち着いたとしてもさまざまな障害があり、発芽することは困難な様だ、しかし種子は直ぐに腐る様な事は先ずない筈だ。
その生命力の強かさに驚かされる。草木や作物の種子と違って簡単には発芽はしない。色んな条件が充たされまで何年でもまたねばならぬからであろうか。又土中には無数の
極小の昆虫やかたつむり、等がおり長い間には捕食されたりするであろう。この画像の種子も目当ての共生菌が無ければ発芽する事は先ず無い。


左図、直播きして20日目全く変わらず、ただ種子の数が減っている様子、培地の小虫に食べられたのか又は引っ付いて移動したのかそんな気がする。
右図、此方は別ボックスに直播した画像である。ショウキランの知識は全くないので発芽の様子など知る予知もない。ただ記録するのみである。直播して42日目である。


久々の添付で本年も最終日となった、なにげなく覗いて見た。菌の世界なので全く分からないが、にょきのょきと何者かが
見える。別物なのかも知れないが、矢印の辺が気にかかる。

     

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